知っておくべきポイントは？ドリンクカップの蓋の種類と用途を徹底解説！

テイクアウト需要の拡大やドリンクメニューの多様化が進む中、今あらためて注目されているのが「ドリンクカップの蓋」の選び方です。
蓋はただ飲み物をこぼさないためのものではありません。
飲みやすさ、商品イメージ、衛生管理、そして環境への配慮など、さまざまな要素を左右する重要なツールです。

この記事では、事業者の皆さまが自信を持って蓋を選べるよう、蓋の種類・用途・サイズ選びのポイント、さらには最新の環境対応トレンドまで、実務に直結する視点で詳しく解説していきます。

ドリンクカップの蓋にはどんな種類がある？

ドリンクを提供する事業者にとって、カップと同じくらい重要なのが「蓋」の存在です。
蓋は飲みやすさや持ち運びのしやすさ、こぼれ防止、衛生面の配慮など、実に多くの役割を担っています。

では、実際にどのような種類の蓋があるのでしょうか？
用途や提供する飲料によって選ぶべき蓋のタイプは異なります。
ここでは、よく使われる代表的な蓋の種類を紹介していきましょう。

ドーム型リッド（ドーム蓋）

アイスドリンクやホイップクリームをのせたデザート系ドリンクでよく見かけるのがこのドーム型の蓋。
透明なプラスチックで、見た目が華やかになるというメリットがあります。
ストローを差す穴が空いているタイプが主流で、ジュース、フラペチーノ、スムージーなどによく使われます。

また、ドームの高さがあるため、トッピングがつぶれにくく、映える商品演出にも最適です。

フラットリッド（平蓋）

アイスコーヒーやソフトドリンクなど、ホイップなどのトッピングがない場合によく使われるのがこのフラットリッドです。
ストローを差し込む小さな穴が空いているものが一般的で、シンプルかつ省スペースな形状が特徴です。

コストも比較的抑えられ、テイクアウト需要が高い店舗でよく採用されています。

ストローレスリッド

ストローを使わずに直接口をつけて飲める蓋です。
主にホットコーヒー用の飲み口付きリッドと似た構造を持ちながら、アイスドリンクにも対応できるよう設計されたタイプが増えています。

一般的には、カップの上部にすべり止め付きの飲み口（サイドリップ口）やスリット状の開口部がついていて、そのまま口をつけて飲めるのが特徴です。
ドリンクの香りをより感じやすく、特にコーヒー系のドリンクに適しています。

その他の蓋の種類

近年では、環境配慮型のリッドも登場しています。
プラスチック削減の観点から、紙製の蓋や、PLA（ポリ乳酸）などの生分解性素材を使用したリッドが増加傾向にあります。

また、密閉性を高めたキャップ式リッドなど、用途に応じたバリエーションも豊富に揃っているのが現状です。

それぞれの蓋の用途と選び方のポイント

蓋の種類がわかったところで、次に重要なのは「どの蓋を、どんなシーンで使うべきか？」という選び方の視点です。
ここでは、提供する飲み物の特性や、提供環境（店内・テイクアウトなど）を踏まえて、蓋を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。

ドリンクの温度と蓋の素材の相性を確認する

まず大前提として、ホットドリンクかアイスドリンクかで、選ぶべき蓋の素材や構造は大きく変わります。

• ホットドリンクには、耐熱性の高いプラスチックや紙製のストロー口付きリッドがおすすめです。口元に熱がこもらないよう、飲み口が工夫されているタイプが多く、安全性にも配慮されています。
• アイスドリンクには、ドーム蓋やフラット蓋が主流です。特に透明素材の蓋を選ぶと、ドリンクやトッピングの美しさがそのまま見えるため、ビジュアル訴求にも効果的です。

提供方法（テイクアウト／イートイン）によって使い分ける

• テイクアウトの場合は、持ち運び時にこぼれないよう密閉性の高い蓋が適しています。飲み口のあるリッドや、しっかりとはまるスナップ式の蓋を選ぶと安心です。
• イートインであれば、多少の開放性があっても問題なく、環境配慮を重視した紙製の蓋や、リユース可能なタイプも選択肢に入ります。

コストと在庫管理のバランスも重要

蓋には多様なタイプがありますが、種類を増やしすぎると在庫管理が煩雑になり、結果的にロスを生む可能性もあります。
そのため、以下のような視点で選ぶこともおすすめです。

• 多用途で使える汎用性の高い蓋をメインに揃える
• 売れ筋商品に特化した専用蓋を一部導入する
• 季節限定商品やキャンペーン用に映える蓋を活用する

これにより、無駄を抑えつつ、商品の価値を高める蓋の活用が可能になります。

環境配慮の姿勢をアピールできるか

最近では、環境意識の高まりから、リサイクル可能な素材やバイオマス由来の蓋を採用する店舗も増えています。
こうした蓋を使うことで、企業としての姿勢をお客様に示すことができ、ブランドイメージの向上にもつながるでしょう。

環境対応の蓋には、以下のような特徴があります。

• 紙製リッド：プラスチックゼロを実現。リサイクルしやすい。
• PLAリッド：トウモロコシ由来の生分解性素材。見た目はプラでもエコ。
• 再生PET蓋：リサイクル素材を使用しながら透明感もキープ。

このように、蓋は単に「フタをする道具」ではなく、店舗の運営方針やブランディング、商品価値にまで影響を与える要素です。
適切な蓋選びは、提供するドリンクの品質向上はもちろん、お客様の満足度や企業の信頼感にも大きく貢献します。

蓋のサイズ選びで注意すべき点

どんなにデザインや素材が優れた蓋でも、カップに合わなければ意味がありません。蓋の選定において最も見落とされがちなのが「サイズの適合性」です。
ここでは、蓋とカップを組み合わせる際に失敗しないためのポイントを整理しておきましょう。

サイズが合わないとどうなる？

サイズが少しでも合っていないと、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。

• しっかり閉まらず、持ち運び中にこぼれる
• 圧力で蓋が外れてしまい、やけどや事故につながる
• 飲み口の位置がズレてしまい、飲みにくい

特にホットドリンクの場合、これらの問題はクレームにも直結しかねません。だからこそ、蓋とカップのフィット感は最優先事項として考える必要があります。

カップの「口径サイズ」に注意する

蓋のサイズは、「オンス（oz）」ではなく口径（直径）で選ぶのが基本です。
例えば、同じ12ozのカップでも、メーカーによって口径サイズが異なることがあります。
よくあるサイズ例としては以下の通りです。

• 口径90mm：テイクアウト用カップに多く使われる標準的サイズ
• 口径80mm：コンパクトなホットカップなどで採用される
• 口径98mm：大容量アイスカップなどに見られるやや大きめサイズ

購入前には必ず、自社で使用しているカップの口径を確認し、それに適合する蓋を選ぶことが重要です。

同じシリーズ・同一メーカーで揃えると安心

もっとも確実なのは、カップと蓋を同一メーカー・同一シリーズで統一することです。
専用設計されているため、ぴったりとはまり、不具合も起こりにくくなります。

もし異なるメーカーを組み合わせる場合は、サンプルを取り寄せて実際にフィッティングを確認するという工程を挟むのが安全です。

サイズ展開の豊富さもポイント

商品ラインナップが多い店舗では、複数サイズのドリンクを提供することもあるでしょう。
その場合、同じデザインで異なるサイズに対応した蓋を選べると、見た目の統一感や在庫管理の効率化にもつながります。
たとえば、

• 8oz／12oz／16ozすべてに対応した共通デザインの蓋
• スリムカップとワイドカップで分けた2パターンの蓋など

蓋選びにおいてサイズの確認は非常に地味な工程かもしれませんが、ドリンク提供の安全性・品質に直結する「最重要事項」と言っても過言ではありません。
ミスが許されないポイントだからこそ、しっかりと押さえておきたいですね。

環境に配慮した蓋のトレンドと今後の展望

ここ数年、使い捨てプラスチックへの規制が国内外で強化されており、ドリンクカップの蓋にも「環境配慮」が強く求められるようになってきました。
とくに飲食店やテイクアウト専門店にとって、サステナビリティへの対応は、単なる一過性の流行ではなく、事業存続の鍵を握る要素となっています。

プラスチックから紙・バイオ素材へ

従来のPETやPPといったプラスチック製リッドに代わり、以下のような環境配慮型蓋が市場で注目されています。

・紙製リッド
プラスチックを一切使用せず、紙のみで成形された蓋。
ホットドリンク用として開発され、リサイクルしやすく環境負荷が低い。
熱や湿気への耐性を高めた特殊加工が施されているものが主流です。

・PLA（ポリ乳酸）製リッド
トウモロコシなどの植物由来素材から作られる生分解性プラスチック。
見た目は通常のプラスチック蓋に近く、透明感もあるため、アイスドリンク用のドームリッドなどにも多用されています。
一定条件下で分解される性質があり、コンポスト処理が可能です。

・バイオマスプラスチック配合リッド
石油由来のプラスチックを一部植物由来成分に置き換えた蓋。
完全な生分解性はないものの、CO₂排出量削減の効果が期待されており、コストとのバランス面で選ばれるケースが増えています。

法規制と企業の社会的責任（CSR）

日本国内でも、2022年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法」によって、使い捨てプラスチックの削減とリサイクル推進が義務付けられています。
飲食業界においても、プラ製カップや蓋、ストローは対象となっており、環境配慮型素材への切り替えが急務です。

こうした背景もあり、蓋を「ただの消耗品」として扱うのではなく、ブランドの環境姿勢を示すメディアとして位置づける企業も増えてきました。
例えば、紙製リッドに企業ロゴやエコマークを印刷することで、「環境を大切にするお店」という好印象を顧客に与えることができます。

今後の展望：機能性×環境性の両立へ

今後の蓋市場では、次のような動きが加速すると予想されます。

• リユース可能な蓋の拡大：店舗回収・再利用を前提としたリッドの導入。洗浄・再利用が可能な「リユーザブルリッド」への注目が高まっています。
• 分別しやすいデザイン：素材表示や分解構造により、リサイクルしやすい蓋設計の需要が増加。
• 企業間での共通規格化：環境配慮製品の標準化が進むことで、蓋のサイズや素材の統一が図られる可能性も。

飲食店経営者としては、蓋の選択を通して、環境対応とお客様満足の両立を図ることが求められていくでしょう。
単にコストを抑えるための選定ではなく、「何を選び、どう伝えるか」までを戦略的に考えることが、これからの時代の新しいスタンダードになっていくのかもしれません。

まとめ～最適な蓋選びがドリンクの価値を引き上げる

ドリンクカップの蓋選びは、単なる包装資材の選定ではありません。
それは、飲みやすさと安全性の提供であり、ブランドイメージの構築であり、さらには環境配慮のアピールでもあります。

この記事で紹介したように、蓋には種類・用途・素材・サイズ・機能性といった多くの判断軸があります。
だからこそ、自店のメニューや顧客層に合った蓋を選ぶことが、ドリンク提供の質を高め、顧客満足度の向上につながります。

「どんな蓋を選ぶか」は、「どんなお店でありたいか」を形にすることでもあるのです。

グッパ

ブログ担当　/　デザイナー

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食品パッケージ物語のブログ担当者であり、通販サイト「グッパケ」のデザイナーです。 食べることが大好きで、日々美味しいものを求めています。 最近のトレンドはおにぎりです。