冷凍可能な食品容器とは？飲食店での活用メリットを解説

仕込みの時短、食品ロスの削減、テイクアウトや通販商品の対応…。
飲食店の現場では日々さまざまな課題に直面しており、それを解決するひとつの手段として注目されているのが「冷凍対応の食品容器」です。

冷凍に対応しているってどういうこと？
どんな素材を選べば良いのか分からない…
おかず、スープ、デザート、それぞれに適した容器を知りたい！

そんなお悩みを持つ飲食店事業者の方へ向けて、本記事では冷凍可能な食品容器の特徴や選び方、おすすめのタイプを徹底解説していきます。
現場で使える実用的な情報を厳選してお届けしますので、ぜひ導入時の参考にしてください。

冷凍可能な食品容器とは？

冷凍可能な食品容器とは、その名の通り「冷凍庫での保存に耐えられる設計がされた容器」のことです。一般的な家庭用・業務用冷凍庫の温度帯（-18℃～-25℃程度）でも変形や破損が起きず、食材の風味や品質を保持できるよう、素材・形状・密閉性に配慮されています。

飲食店で冷凍対応容器が活躍する場面は多くあります。たとえば、

• 仕込みの効率化：大量に作ったおかずやスープを小分け冷凍しておけば、営業中の手間を軽減できます。
• 食品ロス削減：売れ残ったメニューや食材も冷凍保存で無駄なく活用できます。
• 冷凍販売やテイクアウトへの展開：冷凍弁当やスープなどを通販・持ち帰り用に商品化する際、保存性の高い容器が必要不可欠です。
  

特に最近では、人手不足や物価高騰への対策として「冷凍を活用した業務フロー」が注目されています。
その中核を担うのが、まさに冷凍対応の食品容器なのです。

素材別に見る！冷凍対応食品容器の特徴と使い分け

冷凍容器はその素材によって性質や向き不向きが大きく異なります。
ここでは、主な素材の特徴と使いどころを整理します。

耐寒ポリプロピレン（PP）

• 耐冷・耐熱に優れ、電子レンジ対応
• 用途：スープ、煮物、揚げ物、弁当など万能的
• メリット：耐久性あり、繰り返し使用可、コスパ良好

PPは冷凍からレンジ加熱まで幅広く対応し、業務用途にも安心な素材ですが、低温環境下では耐衝撃性が低下します。
冷凍で使用する際は、耐寒衝撃性を向上させた耐寒PPであるかどうかを確認しましょう。
容器の形状や大きさの種類も豊富で、メイン容器として選ぶ店舗も多くあります。

ポリエチレン（PE）

• 冷凍特化型、耐熱性は低い
• 用途：仕込み済みの素材保存、冷凍ストック
• メリット：柔軟性があり破損しにくい、コストが安い

-30℃程度の超低温でも割れにくい点が魅力。加熱調理前提の素材保存など、調理工程の前段階に向いています。

シリコン

• 柔軟で繰り返し使える高機能素材
• 用途：ソース、デザート、タレ類、小分け保存
• メリット：冷凍・加熱両対応、洗いやすくエコ

個人店やスイーツ系の飲食業態に人気。弁当のおかず用カップとしても使われています。
やや価格は高めですが、環境配慮型として支持されています。

紙容器（耐冷加工済み）

• 廃棄しやすくテイクアウト向け
• 用途：スープや軽食の冷凍持ち帰り
• メリット：扱いやすい、オシャレ、短期保存向き

近年では紙容器の機能性も進化。耐水・耐油・耐冷加工済のものを選べば、冷凍でも比較的安定して使えます。
ただし長期保存には不向きです。

飲食店でおすすめの冷凍容器タイプ【用途別】

それぞれのメニューや商品特性に合った容器を使うことで、料理の品質保持や作業効率が格段に向上します。
ここでは用途ごとにおすすめの容器を紹介します。

おかず・惣菜の冷凍保存：仕切り付き弁当容器

複数のおかずをまとめて冷凍保存したいときに重宝するのが、仕切り付きの弁当容器。特に3～4室に分かれた構造のものは、栄養バランスのとれたメニューを視覚的にもきれいに見せることができ、冷凍弁当や宅配サービスとの相性が抜群です。

特長

• 食材同士の味移り・型崩れを防げる
• メニューの統一感が出しやすく、リピートにもつながる
• 透明蓋を使えば中身の確認がしやすい（衛生的・実用的）

注意点

• 仕切りがある分、内容物の量やサイズに制限がある
• 熱々のまま詰めると結露で霜がつきやすいため、粗熱を取ってから冷凍する

スープ・煮物：深型蓋付きカップ

汁気の多い料理は液漏れ防止と保温性がカギ。
密閉力の高いフタ付きカップ容器を使うことで、冷凍保存中の劣化や配送時のこぼれを防げます。
さらにポリプロピレン製の容器なら、解凍から電子レンジ加熱まで一貫使用が可能なので、提供時の手間がグッと軽減されます。

特長

• 冷凍→レンジ加熱→提供まで1容器で完結
• スープやカレー、煮込み料理にも対応
• 蓋を閉めるときの「カチッ」という感覚で密閉確認できるタイプが安心

注意点

• 容器サイズが大きくなると冷凍庫内での保管効率が下がるため、事前にサイズ確認を
• 透明タイプはレンジ加熱により変形しやすい製品もあるので耐熱性能をチェック

麺類・丼もの：セパレート型（2層・分離式）容器

麺とスープ、ごはんとルーなど、具材と汁気を分けて冷凍保存できる容器は、再加熱後の美味しさをしっかり保てるのが最大の魅力です。
たとえばラーメンでは、スープが麺に吸われてしまうのを防ぎ、丼ものでは見た目が崩れないまま再現できます。

特長

• 解凍時にちょうどよく合わさるように設計された形状
• 通販や冷凍販売の「専門セットメニュー」化に適している
• 鍋焼きうどんなどでは耐熱容器のままオーブン加熱可能な商品も登場中

注意点

• 複雑な構造のものは仕入れ単価が高くなる傾向
• 加熱時にパーツが別々に動くため、レンジでの加熱時間にムラが出ないよう調整が必要

デザート・ソース類：ミニカップ／シリコンカップ

プリン・ムース・チーズケーキなどの冷凍デザートや、ドレッシング・たれ類の小分け保存には、ミニサイズのカップ容器がぴったりです。透明のフタ付きカップであれば見た目も美しく、そのまま販売用としても使えます。
また、何度も使えるシリコン素材の容器は環境配慮型として人気が高まっています。

特長

• 少量の液体ややわらかい食材もきれいに保存できる
• お客様がそのまま開封して食べられる、パーソナルサイズ展開が可能
• デザートや副菜の「ちょい足し商品」に使いやすい

注意点

• 小さい容器は重ねすぎると崩れやすいので、トレーでまとめて収納すると管理が楽
• シリコン素材は色移りやにおい移りが起きることがあるため、用途限定で使用する

容器選びで押さえたい4つのポイント

「冷凍できる容器なら何でもいい」と考えてしまうと、思わぬトラブルやロスにつながることも少なくありません。
現場で実際に冷凍容器を活用していくうえで、飲食店が事前に必ず確認しておくべきポイントを4つに絞って詳しく解説します。

耐冷・耐熱温度を確認

まず基本中の基本として、使用可能温度帯の確認は絶対に欠かせません。
冷凍保存用として販売されていても、実は「家庭用冷凍庫（-15℃程度）向け」であり、業務用の冷凍庫（-25℃～-30℃）では素材が割れてしまう、というケースもあるのです。

また、冷凍からの再加熱方法（電子レンジ／湯煎／オーブン）によっても求められる性能は変わります。

チェックすべき表示例

• 使用可能温度：-30℃～+120℃
• 電子レンジ使用可／不可
• 食器洗浄機対応の可否

飲食店では日々の作業効率も重要ですから、「冷凍→電子レンジ加熱→そのまま提供」といった一連の流れに耐えられるスペックの容器を選ぶことで、調理の手間を大幅に削減できます。

漏れにくさと密閉力

スープや煮物、タレ系のメニューを扱う飲食店にとっては、液漏れ対策は最重要ポイントのひとつです。
冷凍状態では素材がわずかに収縮したり、霜がフタの間に入り込んだりすることで、フタが浮いたり緩んだりすることも。
これが原因で冷凍庫内が汚れたり、霜がついて料理の風味が落ちたりといったトラブルに繋がります。

密閉性の高い容器の見分け方

• ロック式またはスナップ式のフタがある
• ゴムパッキン付きで密着性が高い
• フタと本体に段差があり、ガッチリ固定される設計

特にテイクアウトや配送を行う場合は、横に倒れてもこぼれない構造であることが必須です。「横置きOK」「密閉テスト済み」といった表記があるかも確認しましょう。

電子レンジやオーブンに対応しているか

冷凍した商品をお客様自身に温めてもらう前提で販売する場合や、店内で凍ったまま加熱→提供する運用を想定する場合は、「電子レンジ・オーブン対応可否」をしっかりチェックする必要があります。

よくある失敗例

• オーブン不可の容器を使って、変形・発煙してしまった
• 電子レンジ対応と書かれていたが、実際はフタは非対応だった
• 透明容器の耐熱温度が低く、内容物が漏れてクレームに

また、電子レンジOKと書かれていても、加熱時間やワット数に制限があるケースもあるため、業務用レンジで長時間加熱する前には、テスト加熱を行っておくのがおすすめです。

容器の説明書やメーカーのスペックシートを確認し、「本体のみ対応」「フタはNG」などの条件付き表記にも注意しましょう。

重ね置き・保管のしやすさ（スタッキング性能）

冷凍庫内のスペースは限られているため、容器の「スタッキング性（積み重ねやすさ）」も非常に重要です。
特に冷凍庫で容器を高く積み上げる場合、重ねたときにズレない構造かどうかは、使い勝手に直結します。

スタッキング性を高める工夫例

• フタの表面に凹凸や枠があり、容器がずれない設計
• 同型サイズでシリーズ展開されている（管理しやすい）
• 空容器を入れ子式にして収納できる（回収後の保管も楽）

また、業務用冷凍庫の棚間サイズに合わせた容器サイズの選定も意外と見落とされがちです。
納品時にトレーごと収納する運用なら、容器とトレーの相性も考慮しておくと作業効率がアップします。

まとめ：目的に合った容器を選んで、品質も業務効率もアップ

飲食店の現場では、ちょっとした工夫や道具選びが、大きな差となって現れます。冷凍可能な食品容器を上手に活用すれば、食材のムダを減らしながら作業の効率化を実現し、提供品質の安定にもつながります。

• 仕込みの時間を短縮したい
• テイクアウト・通販を始めたい
• 冷凍商品の品質を保ちたい

そんな飲食店のニーズに応えてくれるのが、冷凍対応の食品容器です。目的に応じた最適な容器を選び、店舗運営をさらにレベルアップさせていきましょう。

グッパ

ブログ担当　/　デザイナー

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食品パッケージ物語のブログ担当者であり、通販サイト「グッパケ」のデザイナーです。 食べることが大好きで、日々美味しいものを求めています。 最近のトレンドはおにぎりです。